キャンドル

 先日(8/27)、節電を唱えるキャンドルナイトを東海村役場の中庭で行いました。コロナ禍を意識して大々的な告知をしていませんでしたが、来場された約100人の方々にキャンドルナイトを楽しんで頂きました。いつもであればイベントの進行や会場警備あるいは色々な作業をしていて、苦労して並べたキャンドルを眺める状況になかったこともあり、私達にはキャンドルを楽しむ時間がありませんでした。しかしながら今回はキャンドルに点火してから、余裕を持ってじっくりと眺めて、皆さんそれぞれの想いを巡らせることが出来たキャンドルナイトになったことでしょう。

 

 今回もパラフィンを原料としたティーライトキャンドルを購入して使用しました。パラフィンは炭素と水素の化合物で構成されており、炭素原子の数が20以上のものの総称です。和名は石蝋と言われています。また、パラフィンは石油を精製して作られる常温で半透明あるいは白色の柔らかい固体で水に溶けず安定した物質で、一般的にロウソクやクレヨン等に用いられるため、ロウと呼ばれますが、科学的にはパラフィンは西洋ワックスであり、日本のロウと区別する必要があります。

 

 日本のロウは、古来より日本で用いられてきた植物性あるいは動物性のものを指します。特にハゼノキの果実から作られるハゼ蝋を用いた和ろうそくは、灯りを得るために古くから使われてきました。和ろうそくは、竹あるいは木の棒に和紙を被せ灯心草をらせん状に巻き付けたものを芯として、溶かしたハゼ蝋を塗り重ねることによって作られます。成型後に棒を抜くことにより和ろうそくの中に空洞ができ、これが燃焼時に空気が流動する働きをすることによって酸素が供給され、炎の面積が大きくなり同じ大きさの西洋ロウソクと比べると2~3倍くらい明るくなると言われています。

 

 動物性のロウには鯨の脂肪から作られる鯨蝋などがありますが、現在では蜂の巣から作られる蜜蠟が知られています。蜜蝋は板状にしたものや固形のものが販売されていますので、溶かして型に入れたり板状のものを巻いたりしてロウソクを作ることが出来ますが、少し値が張るところが欠点でしょう。しかしながら蜜蝋は、火をともすと煤が少なく甘い香りがする上に体に良いアロマ成分が発散されると言われています。

 

 このような和ろうそくや蜜蝋のロウソクをキャンドルナイトに用いた方が、節電あるいは省エネを唱える私達の趣旨からすると相応しいのかも知れません。とは言っても日本のロウを大量に作ることが難しいため単価が掛かり、キャンドルナイトのようにたくさんのキャンドルを利用する場合は廉価のパラフィンで作られたキャンドルを使わざるを得ません。

でも各家庭でキャンドルナイトを実施する場合は、日本のロウで作られたロウソクを使ってみてはいかがでしょうか。