ハチドリの話

 我が家の庭にはトレニアが沢山咲いています。隣家との敷地境界にはマリーゴールドも群生しており、猫の額ほどの夏野菜の畑を取り囲んでいます。

 先日ナスを収穫(と言っても1つ実を取るだけでしたが)しようとしていたら、ミツバチが飛んできてトレニアの花を忙しそうに出たり入ったりしていました。こうやってナスの花も受粉してくれたのかなと眺めていたら、ひときわ大きな蜂が同じようにトレニアの花を行ったり来たり、せわしなく動き回っていました。

 

 花に近づくとホバリングで静止して、クチバシを花に差し込んで蜜を吸っているように見えたので、まさかハチドリ??って思ったのです。絵本での話から想像していただけで、実物を見たことが無いため羽を高速で動かす姿を見て、そう思ったのですが、調べてみると「ヒメクロホウジャク」という蛾の仲間で少しガッカリしました。

ハチドリは、北米・カナダ、アメリカ南西部からアルゼンチン北部にかけて生息しているようで、日本にはいませんでした。残念!

 

 ハチドリと言えば「ハチドリのひとしずく」という絵本が知られています。南米のアンデス地方に伝わる話を辻真一さんが翻訳したもので内容を紹介すると、

 

 沢山の動物が暮らす森で火事が起こり、

 動物たちは我先にと逃げ出して行きますが

 火の中をハチドリだけは行ったり来たりしています、

 くちばしに一滴の水を咥えてせっせと運んでいます、

 それを見て動物たちは「そんなことをして いったい何になるんだ」と笑います、

 ハチドリはこう答えます、「私は私が出来ることやっているだけ」・・・。

 

 我々を取り巻く環境問題は、問題が大き過ぎて解決する道筋が中々見つからないところであり、我々の活動はハチドリのひとしずくかも知れませんが、ひとしずくがないと始まらないし、きっといつか変わると信じて自分に今出来ることを精一杯行い、共感の輪を広げる活動していきたいと思います。